「神戸裁判デー」神戸地方裁判所の法廷で、模擬裁判と裁判員制度を学んできた! #神戸裁判デー #神戸地方裁判所 #裁判員制度 #近代建築 #河合浩蔵 #裁判官 #模擬裁判 #神戸地裁
【目次】
神戸地方裁判所の法廷見学&裁判員制度を学んできた!
2月26日(火)に神戸地方裁判所の広報行事「神戸裁判デー」が開催され、法廷見学と模擬裁判を通じて裁判員制度を学んできました。その様子を写真を交えてご紹介します。
神戸地方裁判所の外観について
明治37年に河合浩蔵の設計で建てられた「神戸地方裁判所」。赤レンガの旧建物が再生保存されています。神戸地裁(こうべちさい)と略称で呼ばれることもあり、神戸地方裁判所本庁のほか、兵庫県内に9つの支部と神戸簡易裁判所のほか13の簡易裁判所が設置され、それぞれ管轄する地域の民事事件や刑事事件を担当しています。
文章の引用参照:裁判所WEBサイト「神戸地方裁判所について」
上層階は、鏡のようなガラス壁になっています。
旧庁舎のファサードを保存し、1991年の建て替えで現在の姿になりました。モダンで歴史ある建物を尊重しつつ、新たに建て増した部分と、うまくマッチングしています。
河合浩蔵といえば、先日ご紹介した「神戸市 水の科学博物館」や明治43年頃に建築した「旧小寺家厩舎」、「神戸・中央区の優雅な近代建築」でご紹介した「海岸ビル(旧三井物産神戸支店)」も同氏の設計です。
[amazonjs asin=”4343006239″ locale=”JP” title=”阪神間モダニズム 近代建築さんぽ”]
【※ご参考】神戸のおすすめ近代建築
神戸地方裁判所の内部に入ってみた!
正面玄関を入ると、まずは手荷物検査があります。荷物のX線検査を受け、奥に進むと大階段があり、
弁護士さんや司法書士さんなど、法律の専門家の方々がフロアで待機されていました。
「神戸裁判デー」が開催された101号法廷の様子
神戸地裁の中で1番大きな101号法廷がこちら。(※本日は広報行事のため、法廷内の記念写真撮影はOK、特別に法服も着せて頂くことが出来ます)
傍聴人席は広く、ゆったりとしています。
法廷内に入るための小さな扉を開けて中へ。
法廷の真ん中にある証人席がこちら。左の映写機は、証拠の資料などを画面に写すために使用します。
証人席から見た様子がこちら。手前が書記官の席で、さらに一段上がっている部分が裁判官のお席です。
こちらの法廷では、向かって右側が弁護人の席、
左側が検察官の席になっています。(※各裁判所によって配置が逆になる場合もあります)
証拠資料や提出書類などは、手元のモニターや大画面でも確認しながら審議が出来るようになっています。
裁判員制度について
平成16年5月21日「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が成立し、平成21年5月21日から始まった裁判員制度は、国民のみなさんに裁判員として刑事裁判に参加してもらい、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めてもらう制度です。
国民のみなさんが刑事裁判に参加することにより、裁判が身近で分かりやすいものとなり、司法に対する国民のみなさんの信頼の向上につながることが期待されています。国民が裁判に参加する制度は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア等でも行われています。
文章の引用参照:裁判員制度WEBサイト「裁判員制度の紹介」
「神戸裁判デー」内容のご紹介
まず最初に、裁判員制度の説明を受けてから、模擬裁判員裁判を見学しました。裁判官の席に座りながら、法廷での公判手続き(模擬)を見せて頂くという、大変貴重な体験が出来ます。今回の模擬裁判の事例は、「殺意を持った妻が夫の右腰を包丁で刺し、全治数か月の重傷を負わせた」という殺人未遂罪(刑法第203条)、および殺人罪(刑法第199条)の適用について、懲役6年の実刑に対し、執行猶予付きを求める判決の是非と、その結論に至るまでの流れを、本物の裁判官と一緒に評議を行うというワークショップです。
実刑判決か執行猶予付きを求める判決のどちらか、参加された皆様とともに議論を交わし、最後に評決を行います。ちなみに東灘ジャーナルの出した結論とその考え方のポイントは3つ、
●犯行動機・犯行態様:被告人の妻は、かねてから被害者の夫より暴力を受けており、犯行当日も顔を拳で殴られていた。包丁で襲ったのは、背後からの一突きのみであり、その後は自ら止血を行っている。
→被害者の夫側にも、今回の犯行を想起させうる落ち度がなかったとは言い切れず、犯行態様については、メッタ刺しや頸動脈を切るのではなく、衝動的な一突きのみにとどまっている。
●被害結果:全治6カ月の重傷を追ったが、激しいスポーツを除き日常生活がおくれるレベルまでに回復している。
→被害者のケガについては、車の運転ができる状態まで回復し、今後の日常生活においては支障がないと思われる。
●前科・再犯の可能性:被告人の妻には前科がなく、今回が初犯である。
→犯行を全て認め、反省している状況から、再犯の可能性は極めて低い。
【結論】懲役3年程度、執行猶予付きの量刑が妥当かと思われる
※未遂減免(刑法第43条、および 刑法第68条)適用
被害者や被告人の感情、これまで過ごしてきた環境、および裁判員のバックグラウンド(性別や職業、置かれている境遇、好き嫌い等の感情など)に揺さぶられることなく、事実と感情を分け、状況や事実に基づいて中立に判断するという引き算の考え方なのですが、これがなかなか難しい。今回のワークショップでは、大変良い経験になりました。
「神戸裁判デー」は毎年開催されていますので、こういった広報行事を通じてますます裁判員制度や裁判所に対する理解が深まればと思います。裁判官、およびご一緒させて頂きました参加者の皆様に改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。
情報のご参考:神戸地方裁判所・神戸家庭裁判所WEBサイト
[amazonjs asin=”456978240X” locale=”JP” title=”裁判のしくみ絵事典: 基本の流れから裁判員制度まで”]
- 【日時】
- 2019年2月26日(火)【開催済】
- 【有料無料の区分】
- 無料
- 【場所】
住所:神戸市中央区橘通2-2-1
神戸地方裁判所
JR神戸線 「神戸駅」から北へ徒歩7分